パソコンであれこれ‥‥‥メール編 Vol.2

送信したメールが、送った先でレイアウトが崩れている事が良くあるのですがなぜでしょう？という質問がありました。

その方はメールソフトは、J:COMでテキスト形式を使っているとのことです。

テキスト形式のメールが送信先でレイアウト崩れを起こす原因
1. 行の折り返し設定
2. フォントの違い
解決策
マルチパートメール
1. マルチパートメールのメリット
2. マルチパートメールの設定が見当たらない理由
ぱせさぽより

テキスト形式のメールが送信先でレイアウト崩れを起こす原因

テキスト形式のメールが送信先でレイアウト崩れを起こす原因は、主に行の折り返し設定の違いと等幅フォントではないフォントの使用にあります。

行の折り返し設定

テキスト形式のメールは、文字数や行数に厳密な規定がありません。そのため、送信者と受信者のメールソフトで、1行の文字数上限や折り返しの設定が異なるとレイアウトが崩れます。

たとえば、送信側で1行あたりの文字数を80文字に設定している場合でも、受信側のメールソフトが60文字で自動的に折り返す設定になっていると、送った文章が意図せず途中で改行されてしまい、レイアウトがずれてしまいます。

フォントの違い

テキスト形式のメールは、文字の大きさがすべて同じである等幅フォント（例: MS ゴシック、Courier New）で表示されることを前提にレイアウトが組まれることが多いです。しかし、受信側のメールソフトが文字ごとに幅が異なるプロポーショナルフォント（例: MS Pゴシック、游ゴシック）で表示する設定になっていると、文字の位置がずれてしまい、きれいに揃えたはずの表や箇条書きが崩れて見えます。

解決策

これらの問題を避けるためには、以下の方法を試すのが有効です。

HTML形式での送信を検討する：J:COMのメールソフトがHTML形式に対応しているなら、HTML形式でメールを作成すると、デザインやレイアウトが崩れにくくなります。HTMLメールは、画像や色、文字の装飾などを埋め込むことができ、受信側の環境に左右されずにほぼ同じ見た目を保てます。
簡潔なメールを心がける：複雑なレイアウトを避け、単純な改行と段落で構成された文章にすることで、レイアウト崩れのリスクを減らせます。
相手の環境を確認する：可能であれば、相手がどのようなメールソフトや設定を使っているか確認してみるのも一つの手です。

これらの対策を講じることで、メールが相手に意図した通りの見た目で届く可能性が高まります。

マルチパートメール

「マルチパートメール」は、1通のメールの中に複数の形式のコンテンツを含める仕組みのことです。

通常、メールクライアントは受信したメールの形式（HTML形式かテキスト形式か）を自動で判別し、最適な方を表示します。しかし、受信者の設定によってはHTMLメールを表示しないようにしている場合や、特定の環境（古いガラケーなど）ではHTMLが正しく表示できないことがあります。

このような問題を解決するために、マルチパートメールが使われます。具体的には、HTML形式の本文と、同じ内容のテキスト形式の本文を1つのメールに含めて送信します。

マルチパートメールのメリット

到達率の向上: 受信者の環境がどうであれ、必ず何らかの形式でメール本文が表示されます。HTMLメールがブロックされたり、正しく表示されなかったりする場合でも、テキスト形式の本文が代わりに表示されるため、「メールが届かない」という事態を避けられます。
デザインと安全性の両立: HTMLメールでデザイン性の高いメールを送りつつも、テキスト形式で内容を保証できるため、表現力と安全性を両立できます。
送信側の負担軽減: 相手の環境に合わせて個別にメール形式を送り分ける必要がなくなります。

多くのメール配信サービスや一般的なメールクライアントは、HTMLメールを送信する際に自動的にマルチパート形式で送信するようになっています。そのため、通常は送信者が特別な設定をする必要はありません。

ほとんどの主要なメールソフトやメールサービスは、自動的にマルチパートメールを生成して送信します。そのため、一般ユーザーがマルチパートメールの送信設定を意識したり、手動でON/OFFを切り替えたりするようなケースは、現在ではほとんどありません。

具体的には、メールの作成画面でHTML形式の装飾（太字、色、画像挿入など）を少しでも加えると、そのメールソフトは「HTMLメールとして送信する必要がある」と判断し、自動的にHTML部分とテキスト部分の両方を含むマルチパートメールを生成してくれます。

マルチパートメールの設定が見当たらない理由

これは、マルチパートメールがメールの技術的な仕組みの一部であり、送信側のユーザーが意識する必要がないように設計されているからです。

メールソフトの進化: 昔は手動で設定が必要な場合もありましたが、技術の進歩とともに、メールソフトが自動で最適な形式を選択して送信するようになりました。
利便性の追求: ユーザーにとって最も重要なのは「メールが確実に相手に届くこと」です。マルチパートメールはそれを担保する技術なので、利用者が設定をいじる必要がないように、初期設定で有効になっています。