さいたま市大宮公園が明治期から昭和初期にかけて、多くの文豪たちに愛されていたことをご存じですか? なぜ大宮公園だったのでしょう?
大宮公園

埼玉県さいたま市大宮区に位置する、埼玉県内で最も歴史のある県営公園です。その広大な敷地と多様な施設、そして豊かな自然が特徴で、地元の人々はもちろん、県外からも多くの人が訪れる人気のスポットです。
歴史と背景
大宮公園のルーツは、武蔵一宮氷川神社の広大な境内地でした。明治時代に入り、1885年(明治18年)に「氷川公園」として開設され、その後「大宮公園」と名称を変え、現在に至ります。

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公園の主な特徴と見どころ
- 豊かな自然と四季折々の景観:
- 桜の名所: 約1,000本もの桜が植えられており、「日本さくら名所100選」にも選ばれています。春には見事な桜並木が広がり、多くの花見客で賑わいます。夜桜のライトアップも行われます。
- 赤松林: 樹齢100年を超える赤松の林が広がり、松林の中を散策すると、都会の喧騒を忘れてリラックスできます。
- 梅林、ハナミズキ、スイレン、ハナショウブ、アジサイなど: 季節ごとに様々な花が咲き、訪れるたびに異なる表情を見せてくれます。
- 紅葉: 秋にはイチョウやモミジなどが美しく色づき、公園全体が鮮やかな色彩に包まれます。
- 多様な施設:
- 小動物園(無料): ニホンザル、カピバラ、ツキノワグマ、フラミンゴなど、約30種類以上の動物が飼育されており、無料で楽しめます。
- 児童遊園地(一部有料): 飛行塔やバッテリーカーなどの乗り物があり、子供連れの家族に人気です。
- 舟遊池(ボート池): 手漕ぎボートに乗って、池の上からのんびりとした時間を過ごすことができます。
- 日本庭園: 四季折々の美しい自然を鑑賞しながら、落ち着いた時間を過ごせる空間です。
- 埼玉県立歴史と民俗の博物館: 埼玉県の歴史や文化、民俗に関する資料を展示しており、学びの場としても利用できます。
- スポーツ施設: 野球場、サッカー場、弓道場を含む体育館、テニス場など、充実したスポーツ施設があります。
- 周辺施設との連携:
- 武蔵一宮氷川神社: 公園に隣接しており、初詣など多くの参拝客で賑わいます。大宮公園からのんびり散策するのもおすすめです。
- 大宮第二公園・第三公園: 大宮公園は、第二公園、第三公園と合わせて約68haという広大な敷地を有しており、それぞれに特色があります。第二公園には梅林やアジサイ園、第三公園は見沼田圃の原風景を活かした自然豊かな空間となっています。
- 大宮盆栽村・さいたま市大宮盆栽美術館: 大宮公園から少し足を延ばすと、世界的に有名な盆栽の里「大宮盆栽村」があり、盆栽美術館で美しい盆栽を鑑賞できます。
文豪たちが大宮公園を愛した理由
東京からのアクセスの良さ、心身を癒やし創作意欲を刺激する豊かな自然環境と歴史性、そして当時のメディアによる情報発信が相まって、彼らにとって理想的な保養地・創作の場となったからです。
静かで自然豊かな環境が、多忙な文筆家たちにとって格好の休息の場、あるいは創作のインスピレーションの源となったのです。
正岡子規は、特に大宮公園がお気に入りだった文豪として有名です。
1891年(明治24年)の秋には、大学の試験勉強のため、公園内にあった旅館「万松楼」に約10日間滞在しました。彼自身の随筆『墨汁一滴』には、「万松楼という宿屋へ往てこゝに泊って見たが松林の中にあって静かな涼しい処で意外と善い」と記されており、その快適さを称賛しています。この滞在中には、親友である夏目漱石も大宮に招き、共に過ごしたというエピソードも残されています。
子規や漱石以外にも、多くの文豪が大宮公園を訪れ、その作品の中にその情景を描写しています。
- 森鷗外: 雑誌『スバル』に連載された小説『青年』(1910年)の中で、主人公の青年とその友人が大宮公園を訪れ、人生論などを語り合う場面が描かれています。
- 樋口一葉: 『創作断片』の中で、大宮公園への関心の高さを示しています。1892年(明治25年)には実際に大宮を訪れました。
- 永井荷風: 初期小説『野心』(1902年)の舞台として大宮公園を設定しています。
- 国木田独歩: 作品『第三者』などで大宮公園を取り上げています。
- 寺田寅彦: 随筆『写生紀行』に大宮公園が登場します。
- 田山花袋: 随筆『一日二日の旅東京の近郊』の中で、「大宮公園は静かで好い処だ」と記しています。
- 太宰治: 1948年(昭和23年)には、大宮公園近くの民家に約2週間滞在し、代表作『人間失格』の「第三の手記」後半と「あとがき」を執筆・完成させました。
まとめ
動物園には子供たち、はたまた孫を連れて遊びに行った記憶がよみがえりました。
規模が大きすぎないため、動物たちとの距離が近く感じられます。無料ということもあり、気軽に立ち寄って動物たちと触れ合えるのがいいですね。

文豪たちゆかりの地を示す案内板や、文学碑などは見られないものの、彼らが愛した松林や池の面影は今も残されており、当時の面影を偲ぶことができます。





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