こちらのブログで、相続について学んでいますが、今回は、遺言と遺留分について学んでいきましょう。
相続は、時に家族間の深刻なトラブルを引き起こす火種となります。大切なご家族が争うことのないよう、元気なうちに「遺言書」を作成しておくことが、何よりも確実で、そして愛情のある準備です。
なぜ遺言書が必要なの?
遺言書がない場合、原則として相続人全員で遺産分割協議を行い、誰がどの財産をどれだけ受け継ぐかを話し合いで決めなければなりません。この話し合いがまとまらず、数年単位で争いが続くケースも少なくありません。
遺言書があれば、あなたの意思通りに財産を分けられるため、相続人同士の話し合いの負担が大幅に軽減されます。
確実なのは「公正証書遺言」!
遺言書には主に3つの種類がありますが、最もお勧めするのは「公正証書遺言」です。
- 公正証書遺言: 公証役場で、公証人が本人と証人2名の立ち会いのもと作成します。
- 最大のメリット:公証人が作成するため、方式の不備で無効になる心配がありません。また、原本が公証役場に保管されるため、紛失や偽造の恐れもありません。
- 手続き後のメリット:家庭裁判所での「検認」手続きが不要で、すぐに手続きに入れます。
- 自筆証書遺言: 全文、日付、氏名を自分で書き、押印します。
- デメリット:方式の不備で無効になりやすい、偽造・紛失の恐れがある、開封時に家庭裁判所の検認が必要です。
- 秘密証書遺言: 内容を秘密にしたまま、公証人と証人に遺言書の存在を証明してもらう方法です。
相続の意思を確実に実行し、残された家族に手間をかけさせないためにも、公正証書遺言を選びましょう。
遺言でも無視できない「遺留分」とは?
「遺言書を作成したからもう安心!」と思われがちですが、注意したいのが「遺留分」です。
遺留分とは、兄弟姉妹以外の法定相続人(配偶者、子、直系尊属など)に保障されている、最低限の遺産取得割合のことです。たとえば、「長男にすべての財産を譲る」という遺言書があったとしても、他の相続人はこの遺留分までは請求する権利があります。
遺留分侵害請求(旧:遺留分減殺請求)
もし、遺言書の内容によってご自身の遺留分が侵害されていた場合、その侵害された分を取り戻すよう請求することができます。これを「遺留分侵害請求」といいます。
これは金銭での請求となるため、「遺言書に自分の取り分がなかった!」という時でも、法的に保障された分の財産を受け取れる可能性があります。
ただし、この請求権には時効がありますので、自分の遺留分が侵害されていると知ってから1年以内に請求する必要があります。
まとめ
遺言書は、あなたの「最後のメッセージ」であり、「残された家族への思いやり」です。
特に公正証書遺言を活用し、万が一の際の遺留分にも配慮することで、円満な相続を実現し、ご家族の未来を守ることができます。
遺言書の作成について疑問や不安があれば、専門家(弁護士、司法書士など)に相談することをお勧めします。



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